神楽坂宗司×宗像廉
心の内を蕩かさせて
嫉妬心を出しちゃった廉くんと甘やかしてあげたい宗くんのピロートーク。
詳細はご想像にお任せです()
「今日はそんなに無理させたつもりはなかったんだけどな」
そう自嘲気味に言う。
今日は珍しく嫉妬を口にした廉の本音をもっと聞きたくて、激しくではなくとも、溶かすようにじっくり、快楽を余すとこなく与えるように抱いた自覚はあった。
「うん……なんかふわふわする……」
意識を取り戻しても何処かぼうっとした様子で廉が呟いた。
――かわいい。
素直にそう思えば自然と口元が緩む。
「少しは気が晴れたか?」
触り心地の良い髪を撫でて問えば、一拍の間。
そしてみるみるうちに廉の顔が赤く染まって、宗司の手を余所に布団をがぶりと被った。
「ご、ごめん! 俺余計なこと……」
一気に意識が覚醒したらしい廉は最中の自分の発言を覚えているのだろう。
"余計なこと"と口にした辺り、恐らくは宗司には告げず一人で抱え込むつもりだったらしいことが伺えて、大きく息を吐く。
それに目の前の塊がビクリと跳ねたのを見て、今度は苦笑を零した。
「れーん」
「…………」
努めて優しく呼び掛けてみるが、出てくる様子はない。
ならば、と顔を近づけて二度目は真剣な声で呼ぶ。
「……廉」
「…………」
相変わらず返事は無かったが、ほんの少しだけ顔を覗かせてくれた。そのことに少しほっとして、言葉を紡ぐ。
真っ直ぐ廉の顏を見て、安心させるように。
「俺もお前と同じだ」
「……え」
「だからお前からも聞けて嬉しかった」
「……っ、」
宗司だって独占欲というものは持ち合わせていて、嫉妬なんて日常茶飯事。廉が最中に零した感情は宗司にも身に覚えがあるものばかりなのだ。
宗司の言っている意味が分かったらしい廉はまだ赤くなれるのか、と思う程に更に顔を染める。
湯気でも出そうだな、なんて思うと少し可笑しくて声を出して笑ってしまった。
「わ、笑わないでよ!」
「ははっ、悪かったって……てコラ廉、止めろ」
「もう! まだ笑ってる!」
さっきまでの様子は何処へやら。
廉はガバッと体を起こすと、枕を手に宗司をバシバシと叩く。
こうして遠慮無しに接してくるのも自分だけで、これも一つの甘え方だろうと思うと愛おしさを感じる。……が、しかしこれはそこそこに痛い。
いい加減大人しくなってもらおうと腕を広げ、思い切り抱き込んだ。
Fin.